地域限定型採用
[チイキゲンテイサイヨウ]
地域で募集・採用し、勤務してもらう採用方法のこと。昇進・昇給のスピードは遅くなりますが、転勤はありません。
地域限定型採用のケーススタディ
家庭生活と仕事を両立させたい人や<br />地元に残って働きたい人には魅力的
働き方が多様化していると言われる中、企業の採用方法にも新しい動きが見られるようになってきました。これまで大手企業では、本社で一括採用した後、それぞれの事業所に振り分けるスタイルが一般的でした。しかし「地域限定型採用」では、その地域のニーズに応じてスタッフを募集し、地域で採用します。転勤を繰り返すよりも、一つの地域に定住して働きたいという人にとっては、働きやすい採用のスタイルだと言えます。同時に、企業にとっては「人件費を抑制しながら、スタッフに長期的に働いてもらえる」「地域密着型のサービスを行いやすくなる」などのメリットがあります。
ある大手食品メーカーでは「地域限定技術職」という名前で、地域限定型採用を行っています。ここではグループの工場ごとに欲しい人材を採用し、転勤もエリア内に限定されています。また三菱東京UFJ銀行では「エリア・プロフェッショナル職」という名前で、地域限定型採用を行っています。いずれも、その地域に必要な人材を、地域に密着したかたちで採用・育成していこうという狙いがあります。
1982年にいち早く地域限定型採用を導入したオリックスの場合は、「職種転換制度」により、地域限定職から全国転勤もある「全国型」に転換できる仕組みを設けています。その他、企業によっては、特定された事業所で専門性を高める「事業所限定職」や、転勤のない条件のもとで雇用期間を契約する「期間限定型採用」などもあります。
地域限定型採用は多くの企業が導入を始めており、とくに就職活動中の女子学生から注目されていると言います。むろんこれは女性限定の制度ではありませんが、転勤がないということから、子供を抱えて働く女性や、年金をもらいながら働く定年退職者には、働きやすい制度の一つと言えるでしょう。